石川県において、冬の味覚と言えば「カニ」を思い浮かべる方も多いと思います。
石川県は『加能ガニ』というズワイガニが有名ですが、そのメスである【香箱ガニ】が食通の間ではとても人気があるのです。
地元石川県では加能ガニも人気がありますが、それ以上に香箱ガニは人気があり、解禁日翌日の店先では、多くの人が香箱ガニを買う風景が見られます。
香箱ガニの外子と内子、カニ味噌と甘みのあるカニ身は、一度食べるとその虜になるくらい美味しのです。
漁期がとても短い上に、この時期の荒天のために漁に出られない日も多いのでとても貴重なカニなのです。
香箱ガニは、お隣福井県では「セイコガニ」、鳥取県では「セコガニ」、他にも「コッペガニ」や「親ガニ」など地域が変われば、違う名称で呼ばれています。

香箱ガニとは
【香箱ガニ】とは、加能ガ(ズワイガニ)のメスのことを言います。
香箱ガニは、加能ガニよりも一回り以上小さく、価格も加能ガニに比べて、安価で手にすることができます。
身体は小さいながら、香箱ガニの身は、ほんのりと甘みがあり、何といっても、外子と内子とカニ味噌がとっても美味しいのです。
カニ脚や爪の身を食べるというよりは、甲羅のカニ味噌と内子、そして外子を堪能するのが香箱ガニを食べる醍醐味です!
そんな香箱ガニの漁期は、オスの加能ガニが、11月6日~翌年3月20日なのに比べて、香箱ガニはもっと短く、11月6日~12月29日までとなっています。

香箱ガニが美味しい理由
【香箱ガニ】は「冬の赤い宝石箱」と呼ばれるくらいで、外子や内子、カニ味噌が絶品です。
また、香箱ガニは出汁が美味しいので、香箱ガニの脚から出汁を取って鍋に入れたり、味噌汁を作ると、とっても美味しいんです。
そんな香箱ガニは、北陸の荒波に揉まれそだちます。
また、香箱ガニの生息している場所は、餌も豊富なので、脚身の入りや旨味がギュッとリ詰まっているのだそうです。
香箱カニの美味しい部位

加能ガニに比べて太さや大きさが無いのですが、ほんのりと甘みがあり、しっかりとした弾力のある身が特徴です。

産卵直前の成熟した卵のことで、プチプチとした食感がたまりません。年月が経つに従い色が濃くなります。

未成熟の卵のことでコックリとした濃厚な味わいで、熟成されたチーズに例えられる事があり、ポクポクとした食感です。

加能ガニよりも小ぶりながらも、カニ味噌はたっぷりあり、濃厚な味わいがクセになります。

香箱ガニの漁獲場所
香箱ガニの漁場は、加賀から能登にかけての広範囲で、砂地のところや、泥地の場所があり、生息場所によって実の味が少しずつ違うと言われています。
香箱ガニは、『金沢香箱』や、『かないわ香箱』などのブランドがあります。
これらは、水揚げされた漁港の名前がブランド化されているものです。
石川県の香箱ガニ漁は他県と異なり、加能ガニと同じく基本的に日帰り漁が出来る場所にあります。
その日獲れた香箱ガニが、その日のうちに市場に並ぶので鮮度が抜群なのです。

2022年お目見え輝姫
2022年に水揚げされた香箱ガニの中でも、より厳しい審査基準をクリアした香箱ガニを「輝姫」と名付け、ブランド化する事になりました。
2022年の輝姫は、1杯30万円の値が付きました。
輝姫の規格
- 甲羅の幅…9.5センチ以上
- 全ての脚がそろう
- 傷がなく美しい
- 資源管理への積極的な取り組み
大切な加能ガニを守るため、法令で定める漁獲数量の上限や禁漁期間の設定、甲幅9cm以上のサイズ規制を実施しています。
また、ズワイガニの禁漁期間に別の漁での混獲を防ぐため、ズワイガニ漁期外の保護区域の設定や、改良網を用いてズワイガニが網に入らないよう工夫しています。
まとめ
香箱ガニは、ズワイガニのメスのことを言い、カニ脚を食べるというよりは、甲羅の中のカニ味噌と内子、そして甲羅のその外子を堪能するイメージです。
濃厚なカニ味噌と、コックリとした内子、そしてプチプチの食感がたまらない外子は一度食べるとやみつきになること間違いなし!
勿論、カニ脚の身もしっかりとした弾力と甘みがあり、美味しいことは言うまでもありません。
全国の食通をも唸らせる絶品で、この時期になると、香箱ガニを求めて各地から訪れる方が大勢いらっしゃいます。
香箱ガニは、カニ面も有名で、金沢おでんの具材として話題になっていますが、地元の人達もなかなか手の届かない逸品となっています。
漁期が短い上に、冬の北陸は荒天が続く事も珍しくないため、漁に出られない日が続く事もあるため、とても貴重なカニなのです。
